「CINDERELL-A-RRANGE vol.3」に参加しました〜ライナーノート編

  • 2017.03.19 Sunday
  • 23:05

 ――「アイドルマスターシンデレラガールズ」の楽曲をリミックス・アレンジし、ツアー形式で発表して「デレマスを“音”で盛り上げよう!」という、熱い試み。

 

◆企画概要 http://twipla.jp/events/232344

◆公式Twitterアカウント @derenji_tour

◆参加曲リストはこちら! mylist/58356346

 

 この血沸き肉躍るお祭りに、私も加わらせていただきました。挑んだ題材はデレマスの生んだ一大芸術者にして2代目シンデレラガール・神崎蘭子さんのソロデビュー曲「華蕾夢ミル狂詩曲〜魂ノ導」。

 題して、『華蕾夢ミル狂詩曲〜煉獄にて』です。

 

 

 キー変更+ピアノロック風のアレンジを施した上で、自分で歌いました。ついに「歌ってみm@ster」タグへの参戦をも果たしてしまった。

 麗しい蘭子ちゃんの肖像をバックにこのようなわたくしの歌声が流れてくるのは申し訳ない気がしたので、映像はご覧の通りです。音も動画も、自分の大好きなものをシンプルに使ってどストレートに殴る、が信条であります。

 使い魔クワイアには歌声合成ツール「UTAU」、及び音声ライブラリ「響震路(しんたんじゅつ)」を使用しています。困った時の響震路、まさかの時の響震路。いい仕事してくれました。せっかくボーカルシンセソフトと声素材を持ってるんだもの、この機に使わない手はないよネ!

 動画に使用した燃える効果音はポケットサウンド様から、炎の写真はBEIZ Graphics様からお借りしたものを加工し使用しました。ありがとうございます。どちらとも非常にドンピシャな素材でした。

 

 初めての「デレンジ」、初めての「ツアー企画参加」。今回は総勢54組ということで、歴戦のアレンジャーさんやハイレベルなDTMerさんも多数名を連ねる中、小市民のわたくし非常にドキドキしております。

 しかし、やりたいことはやりきりました。今の私にできる、私にしかできないことを思いっきりやったつもりです。

 プロデュンヌの意地と根性、どうぞご照覧あれ。お楽しみいただけたら幸いです。

 

↓続きでは制作秘話めいたことを延々と書き連ねてまいります。ご興味のあるお方は引き続きお付き合いください。

 

◆参加の経緯というかここまでのあらすじ

 事の発端はUTAFESを終えてしばらく後、2016年2月にさかのぼります。UTAFES参加者として相互フォローになっていたさきしさんから、このようなRTが回ってきました。

私「なん……だと……!?」

 この頃にはすっかりシンデレラのプロデュンヌになっていた私、食いつかないはずがありません。全曲公開後すぐ主催のメガネ男子Pと連絡を取り、mp3アルバムを頂きました。すごい、こんな世界があったのか、こんな素敵なことをやっている人達がいたのか。スマホにもデータを移し、次の日の通勤電車で、感慨に浸りながらイヤホンに耳を傾けていました。

 そして、私にひとつの思いが芽生えます。

 ――私も“デレンジ”、やってみたい。

 それからだいぶ時間をかけ遠回りをしましたが、ようやくこのたび初デレンジ・初ツアー参加と相成り、今ここにその時の思いが実を結んだのであります。

 

◆選曲の動機

 この曲はアニメ2クール目のライブシーンで断片的に流れてはいたものの、本格的に触れることになったのは「スターライトステージ」がきっかけでした。

 クワイアとストリングスのピチカートから始まるときめきの予兆!脳髄に走る衝撃!シンデレラガールズにはこんな曲があったのかと!!すぐにiTunesへ走りました。おそらく、一番最初に購入したCINDERELLA MASTERシリーズ楽曲だったのではないかと思います。

 程なくして、好きすぎるあまり自分で「歌ってみた」として投稿したい、と考えるようになりました。そのために耳コピ+キー下げオケを作り始めたはいいけれど、こんなギターの聞き取りとかどうしたらいいの……無理やろ……と悩んでいたところに、上記の出来事だったわけです。「アレンジ」という概念に気づき天啓を受けた気になった私は、「自分が扱い慣れており、じゅうぶんに勝手がわかっている楽器」による大胆な編曲――「ピアノロック」を施すことを思いつきました。

 

◆テーマ・演出意図

 徹頭徹尾心がけていたのは、「この歌に描かれている物語に徹底的に向き合う」ことでした。

 いわゆる「熊本弁」とさえ言われる蘭子ちゃん語。この歌詞についても、よく言及される「授業中に落書きと居眠りをしていたら先生に見つかって怒られちゃった……」という解釈もかわいくって好きなのですが、このアレンジカバーの制作にあたって「熊本弁」的読み取り方は、ひとまず置いておくことにしました。

 私は、この詞で描かれているのはあくまで、ひとりの少女の恋する姿だと思うのです。恋に悩み、苦しみ、しかし秘めるしかないそれらと、本来自分があるべき姿との板挟みになるさま。最終的に、それでも主人公は恋を胸に秘め続け、命を賭して歌い、生き続けることを選ぶと決意した。そんな物語を感じ取りました。

 そのように大真面目に経典と向き合ったところで、ではこの「物語」を、自分の色を出しつつどのように紡ぐかと考えます。

 そして生まれたテーマが「かつて恋に身を焦がした少女のなれのはて」

 当然というかなんというか、エンジンがかかったが最後、あとはもう厨二脳まっしぐらです。

 

 その恋慕が決して報われぬものだとしたら。主人公が己の恋をあるまじきものと考え、罪と捉えてしまい、自罰という「煉獄」に身を置いているのだとしたら。

 きっと気持ちにうまいこと折り合いをつけて、やがてその恋を忘れていくことが「浄罪」であり、自罰意識からの解放=「天国への導き」という最適解なのでしょう。しかし私は今回、「その選択をしなかった主人公」を想定し、世界観を構築していきました。

 『貴方を忘れるぐらいなら、私は喜んで罪人となりましょう。永遠に裁かれ続けましょう。未来永劫この胸に貴方を刻むため、恋した罪と共に、私は煉獄に留まり続ける』

 ……そして少女は、煉獄の女王に変わり果ててしまう。

 

 原曲からのifルートとでもいいましょうか。この発想と脚本が、我が敬愛する堕天使のお眼鏡にかなうとよいのですが。蘭子ちゃんが目をキラキラして私の物語に耳を傾けてくれたらいいなあ、と、思いながら作業を進めていきました。

 そういうわけで、サブタイトルは『煉獄にて』です。女の情念、感じてください。

 

◆楽曲制作について

 ピアノ、ドラム、アコースティックベース、ポイント使いのチューブラーベルにクワイア、ついでにボーカル、という非常にシンプルなパート構成です。チューブラーベルは少女だったものの運命を告げる鐘の音、鈍器で容赦なく頭を殴るようなピアノの低音は同じく運命が扉を叩く音。ベートーヴェンに同じです。

 実はここに弦楽四重奏を加えパッド的な扱いとする構想もありましたが、すっっっっっごくギリギリまで迷って、ストリングスパートを廃したものを最終稿として提出しました。なんというか……弦が加わると、美しくなりすぎたのです。私がやりたいこと――言葉を選ばずに言うならば歪んだ、激しい勢いの表現が、ストリングスによって和らいでしまうことに気づいたからです。これは本当に最後まで悩みました。

 今にして思えば、そのままストリングス付きだったら浄罪ルートだった気がしなくもない。

 

 最初からピアノロックをやる!とは決めてはいたものの、その脳内サンプルといえばせいぜいヴィレッジバンガードの店内にある→Pia-no-jaC←の試聴ぐらいで、ジャンル自体はほとんど勝手がわかりませんでした。短期間に新たな刺激をたくさん受けると疲弊して寝込むような難儀な体質ゆえ、知らない曲を一気に聴くのもあまり得意ではありません。となると当然、ある程度打ち込んだところで、途端に作業が行き詰まります。

 加えて自分自身が「習い事として、お行儀よく楽譜通りに弾くピアノ」ばかり身に着けていたこともネックでした。恥をしのんで、音楽の得意な肉親にアドバイスを仰いだりもしました。独学でピアノを身に着けた父と叔父からは、それぞれ「そんなものは好きなように弾いたらいい」「お前はもっと遊べ」と言われる始末。……返す言葉もありません。

 そうなると「私は真面目にきっちり教科書通りにやって正規に学んできたはずなのに、なぜ独学で好き勝手やってきた父と叔父にさえ敵わないのか」という、ある種逆恨みみたいな感情が生まれてくるんですね。余は父を越えられぬか(byタイタス十六世)

 ここで演出意図とは別に、「自分の中にある教科書を破り捨て、お行儀のよさの殻を破る」というもう一つの課題が生まれることになりました。

 

 そこをどう乗り越えたのかと言えば、結局「実機(つまりは本物のピアノ)を触って研究する」、そして「感情の爆発」のふたつに尽きます。

 本物の鍵盤を押さえていたらあら不思議、悩んでいた和音が瞬く間に生まれ変わっていきます。よりカッコいい響きのする押さえ方、思いつきもしなかった運指を次々に見つけられたのです。それを五線ノートにメモってはパソコンの前へ駆けつける、の繰り返しをしました。考えるのも大事だけど実践も大事であると、身を以て学びました。

 ふたつめの感情の爆発というのは、それまで数ヶ月の闘病・リハビリによって鎮まっていたものにあえてスイッチを入れ、暴走させたものといえます。我ながら無茶をしました。

 でもこれは、(身体には無理を強いたのですけど……)結果として功を奏しました。感情の奔流それ自体は悪いものではなく、コントロールと抑制、そして昇華さえできれば、芸術においては有効に活用できるエネルギーであることをあらためて知りました。

 ……報われない恋心。自罰感情。手の届かない悔しさ。自慢じゃありませんがこの私、執念深い上、「自分でない何か」にかなり感情移入しやすいタイプでして、豹変するのに時間はかかりませんでした。それらが自分の中でめらめらと燃え上がるうち、勝手にピアノロール上に音が増えてゆくのです。本当に変な魔術にでもかかった気分でした。

 そこからはびっくりするほどのスピードで、楽曲が色づいてゆきました。

 

 やりたい放題のピアノソロは原曲のギターソロをコンバートした上でさらに華麗に、ピアノへ最適化を考えてあとは穴埋め、って感じでした。

 長く長く引き伸ばしたアウトロは、かつて少女だったものが煉獄の女王として凱旋するさまを表したものです。頭を垂れてお出迎えください。

 

◆ボーカルについて

 いつもカラオケでは難なくノリノリと歌うくせに、いざ自宅のマイクに向かってみると驚くほど口が回りませんでした。特にAメロな!語り部分ももっと余裕を持って喋って「女王」感を出したかったのですが、とりあえずこの尺におさめねば、と板挟みに苦心した結果がこちらになります。今にして思えば、テンポを多少落として発音しやすくしてもよかったのかもしれません。でも原曲のこの速度が好きで……BPMは譲れませんでした……。

 あと、いくら好きとはいえ、私は神崎蘭子ではありませんし、神崎蘭子(ひいては、内田真礼さん)にはなれません。自分の思う自分の声の持ち味、魅せたい歌い方を意識しつつ、ご本尊へのリスペクトは忘れないよう心がけました。フレーズ終わりの跳ねるクセ等、これは外せまい!と思ったポイントは押さえたつもりです。

 歌っている間はほぼ明鏡止水、無我の境地だったのですが、間奏における語り部分は「この曲はここでこそ本気出さなきゃ嘘でしょう」とばかりに怨念をこめ、貫禄を意識して発声しました。この瞬間の私はたいそう邪悪な笑みを浮かべていたと思います。楽しかった。そしてその語りのラスト、「そう、あの人だけだから……」の部分。原曲のここはソロになっていますが、私のアレンジではダブルボーカル(?)、一人二役で喋っています。これはアニメでのRosenburg Alptraumバージョンを意識したものでした。好きなんだ、あの演出。

 ちなみに、ラストの「Rapsodiaーーーーーー...」というロングトーン。これ、大好きなJAM Projectにおける遠藤正明さんの「スーパー遠藤タイム」のオマージュがやりたかったんです。構想もあやふやだった頃から、マジでこれだけは絶対やると決めていたんだ。思いっきり吼えました。

 

◆神崎蘭子というアイドルについて

 実を申せば私、蘭子ちゃんの「ファン」ではあれど、「担当」では、ありません。彼女に限っては、自分の中でこの線引きは明白です。

 

 動画説明文でも触れた「アニメでの台詞に背中を押され、ちょっとだけ人生が変わった」の詳細な経緯は、過去のこの記事でも触れています。

 当時の私はフェス形式の大型ライブイベントを控え、既にとあるバンドの一員として参加が決まっていました。しかしある日、同じライブに出る別のバンドからボーカルとしてピンチヒッターを頼まれたのです。かくして私は掛け持ち出演するか否か、大いに悩むことになりました。

 ……ちょうどその話を持ちかけられた夜に放映されたのが、デレアニ第21話だったのです。

 劇中で神崎蘭子というアイドルは、仲間にこのように語ります。いつものあの言葉遣いではなく、彼女自身の心の言葉で、そのきれいな目をもっと輝かせながら。

「挑戦することは、楽しいから」

「新しいこと、いつもと違うことは、冒険だから」

 ――新しい挑戦は、冒険は、楽しい。

 彼女の言葉に深く感銘を受けた私は夜が明けたのち、その別バンドのリーダーさんに「お引き受けいたします。よろしくお願いします」と返信をしました。

 

 第1クール最終話の大舞台でソロステージをこなした上、体調不良を起こしてしまった新田ちゃんの代打を申し出、見事にその役目を果たした時から、この神崎蘭子という少女はただものではない、とは思っていました。そして2クール目のこのエピソードでもう株が爆上がりです。彼女は、強気そうに見える、ただの邪気眼っ娘では断じてないのです。若年にしてあそこまで一生懸命に考え、決意し、努力し、微笑む、この上なく素敵なアイドルで、尊敬に値する「表現者‐アーティスト‐」なのです。

 ゆえに神崎蘭子は私にとって、憧れであります。

 胸を張ってここに宣言しましょう。私は、神崎蘭子のファンです。

 

◆謝辞

 vol.2時に参加表明するも持病の悪化で辞退した際、「待っています」とおっしゃってくださった“デレンジャー”の皆様。

 本日に至るまで、見守り応援してくださった方々。

 楽曲・動画制作につきまして、アドバイスやご教示賜りました方々。

 そして

 

 この途方もなく大規模な企画をまとめ上げ、本日に至るまで奔走してくださった主催のメガネ男子Pこと、れごさん。

 本当にありがとうございました。

 

 この胸にあふれるいっぱいの気持ちは、いくら言葉にせど語りつくせません。というわけで、デレンジ勢にはすっかりおなじみのこの合言葉でこの記事を締めくくろうと思います。

 

 皆さん! ――『優勝』!!

 

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